ラストマイル物流における共同配送とSDGsパートナーシップ

ラストマイル物流における共同配送とSDGsパートナーシップ

EC需要の増大を背景に、物流各社のトラックが同じエリアで重複して走行する非効率が課題となっています。この問題の解決策として注目されているのが共同配送モデルです。SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」は、競合他社間の連携による社会課題解決を示唆しており、物流業界にも直接当てはまります。

共同配送とは何か

共同配送とは、複数の荷主や物流事業者が配送車両・ルート・人員を共有することで、総走行距離と積載ロスを削減する仕組みです。同一地域への荷物を一台の車両に集約することで、車両台数と燃料消費を大幅に削減できます。国内では都市部の共同配送実証実験が各地で進められており、走行距離を30〜40%削減した事例も報告されています(参照:国土交通省「物流施策」)。

SDGs目標17との関係:業界横断のパートナーシップ

SDGs目標17は、民間企業・政府・地域社会が連携して課題を解決するためのパートナーシップを推奨しています。物流業界における共同配送は、この目標の具体的な実践形態といえます。競合関係にある物流事業者が配送インフラを共有することは、個社の利益追求を超えた社会的意義を持つ取り組みです。環境省もサプライチェーン全体でのCO2削減を求めており、業界横断の協力体制構築を後押ししています(参照:環境省「サプライチェーンの排出量削減」)。

共同配送が解決する課題:CO2削減と人材不足

共同配送が解決できる課題は環境面にとどまりません。物流業界では深刻なドライバー不足が続いており、少ない人員で同じ量の荷物を届けるためには積載効率の向上が不可欠です。共同配送によって1便あたりの荷物量を増やせれば、同じ人員でより多くの配達をカバーできます。2024年4月に施行された時間外労働規制(物流の2024年問題)への対応としても、共同配送は労働時間削減の有効な手段として位置づけられています。

データ連携と標準化が共同配送の鍵

共同配送を実現するには、異なる事業者間でのデータ共有と業務プロセスの標準化が必要です。荷物の追跡情報・配達ステータス・ルート情報をリアルタイムに共有できる共通プラットフォームの整備が課題となります。国土交通省は「フィジカルインターネット実現会議」において、2040年までに物流インフラを完全共有化する長期目標を示しており、デジタル基盤の整備が段階的に進んでいます。

ラストマイル共同配送の今後

都市部では大手物流事業者による共同配送エリアの試験運用が広がっており、自治体との連携によるマイクロデポの設置も進んでいます。EV配送車両とAIルート最適化が組み合わさることで、共同配送の効率はさらに向上します。ラストマイル物流の持続可能性は、個社の取り組みだけでなく、業界横断のパートナーシップによってこそ実現できるものです。