国土交通省、ドローン配送の安全基準を改定 重量物運搬の規制緩和へ
運搬重量上限を25kgから50kgに引き上げ
国土交通省は2025年11月7日、ドローン配送における安全基準を改定し、運搬可能な荷物の重量上限を従来の25kgから50kgに引き上げると発表した。レベル4飛行の実績を踏まえ、より大型の荷物配送を可能にする。
今回の改定では、機体の安全性能基準も同時に見直された。具体的には、緊急時の自動着陸機能、障害物検知センサーの冗長化、バッテリー残量の自動監視システムなどが義務化される。これにより、50kg級の重量物を安全に運搬できる体制が整う。
物流業界からは歓迎の声が上がっている。ヤマト運輸の関係者は「2024年問題でドライバー不足が深刻化する中、重量物のドローン配送は大きな選択肢になる」とコメント。特に建設現場への資材配送や、山間部への生活物資配送での活用が期待される。
国交省は「安全性を最優先としつつ、ドローン産業の成長を後押しする」との方針を示した。2026年度には、都市部での重量物配送の実証実験も計画されており、ラストワンマイル配送の更なる効率化が見込まれる。業界団体によれば、国内ドローン配送市場は2030年度に1兆円規模に達すると予測されている。
- 記事提供
- 日経ビジネス
- 著者
- 政策担当記者
- 公開日
- 2025-11-07